120th metaPhorest セミナー
2026年3月16日(金)19:00-20:40

120th metaPhorest Seminar by 久保田晃弘 Kubota Akihiro
This event will be primarily in Japanese, but questions and comments in English are also welcome.
3/16(月)のmetaPhorestセミナーでは、科学と芸術にまたがるメディアアートの第一人者である久保田晃弘さんをゲストにお招きし、近年取り組まれている量子芸術などについてお話しいただきます。
日時・場所
2026年3月16日 (月) 19:00–21:00 早稲田大学 先端生命医科学研究施設(TWIns)3F セミナールーム3 https://maps.app.goo.gl/Wy23SqPPMo3P7V8JA
ONLINE (映像の画質は悪いため、可能な方はぜひ現地へお越しください)
This seminar can also be held online. Zoom Link
「自然計算機としての量子コンピュータ(と芸術)」
久保田晃弘 量子コンピュータは「高速な古典計算機」ではない。量子状態にある物質を直接操作することによって計算を行う非慣習的な「自然計算」機械である。
自然を古典コンピュータでシミュレートできるのであれば、古典計算を自然がシミュレートすることもできるはずだ。古典計算が抽象的な論理を物質に「翻訳」して処理するのに対し、量子計算は物質の量子力学的な振る舞いそのものを直接的な計算資源として活用する。さらにこの自然計算の概念を拡張すれば、宇宙の物質全体が情報処理を行う計算機であるという存在論的な転回も可能だろう。少なくとも、「記号」と「物理的実体」が不可分に統合されている量子計算においては、量子の不可知性や不確定性が、新たな現実を構築する道となるはずだ。
大阪大学QIQBとの協働で、量子コンピュータの実機を用いて作品制作を行なうことができた。ノイズやデコヒーレンスといった「物理世界への計算過程の漏れ出し」(はエラーとして排除したり修正すべきものというよりも、そこに世界(自然)の生成的・創造的な力がある。再現可能な記号処理や数値計算ではなく、物質操作の痕跡としての一期一会の計算に、コンピュータ・アートの新たな可能性がある。
『Quantum Computer Art Studies』https://hemokosa.com/QCA/QCAbook.pdf

